株式投資

「株価は先行して動く」上昇→下落トレンド入りの売却タイミングを解説

株式投資

こんにちは、株好きFPのかたやま りえです。

よく株価は景気を先取して動くと言われています。半年~1年くらい先行して動いています。

例えば、2021年はコロナ禍での金融緩和で上昇相場でしたが、2021年後半からアメリカのインフレ(物価上昇)からFRB(アメリカの中央銀行)が資産購入をストップ、利上げに転換した頃から株価は下落トレンドになりました。まだ景気がよい状態だけど、株価は下落という状況です。これは個別株を見ても明らかだと思うことがあります。

事例を2つ挙げて解説、もし保有していたらどのように対処すればよいか考えてみましょう。

株価は先行して動く事例①エスプール(2471)

今日、2023年4月4日に、エスプール(2471)の2023年11月期第一四半期決算が発表されました。同社は成長株で株価も長らく右肩上がりでしたが、2022年3月の高値から下落トレンドが続いていました。今期も増収増益の予定でしたが、今日発表された第一四半期は減収減益でした。1年前から先行して下落に向かっていたということです。

決算短信を見ると、既存事業の障がい者雇用ビジネスと物流アウトソーシング、新規事業の環境経営の支援サービス、自治体の行政業務を受託する広域行政BPOサービスは順調ですが、、コールセンターなどの派遣業務の業績が落ちてきています。「通期計画達成に向けてほぼ計画通りのスタート」とあるものの、昨年度もコールセンターは減収減益のため疑問が残ります。

しかし、同社のビジネスモデルの障がい者雇用や、次の10年の成長に向けた新規事業である環境ビジネス及びBPOビジネスは、十分需要があるビジネスと考えられますので、業績が向上する可能性は十分に考えられます。

株価は先行して動く事例②バリューコマース(2491)

バリューコマース(2491)も成長株で長らく株価は上昇トレンドでした。しかし、2021年の11月の5290円の高値をつけたあとは下落トレンドが続いていました。2022年12月期も増収増益でしたが、進捗率が悪く過去最高益ではあるものの、下方修正の発表がありました。2023年12月期も増収(微増)減益を発表していて、同社の株価も1年前から先行して動いていたということになります。

同社のビジネスモデルは主にアフィリエイト広告や、Yahoo!出展者向けクリック型課金広告です。広告業界は景気に左右されやすいことが懸念されます。また、配当性向は、2022年12月期の31.2%から、2023年12月は50.2%となる予定です。成長株から成熟期のシフトかもしれません。

保有していたときの売却タイミング

このような優良銘柄を保有していると、業績もよいのだから、まだまだ株価は上昇するような気になってしまうと思います。私もそのような失敗を繰り返してきました。でも、上昇トレンドは必ず終わりますし、成長株もやがては落ち着き成熟期に入ります(再び業績があがることはもちろんあります)。今回の2つの銘柄も業績がよいうちに下落トレンドになっているので、これは変化のサインだと認識しましょう。

売却のタイミングの考え方は3つです。

ひとつ目は、高値圏で2回高値をつけた(ダブルトップ)あとは下落トレンドに入ることが多いです。このときは出来高も通常より多い傾向にあります。ダブルトップが確認できて、含み益が出ていれば、1部売却してもよいでしょう。

2つ目は、週足の26週移動平均線を割ったことが確認できたら、速やかに売却しましょう。

3つ目は含み損の場合ですが、当初決めた損切りの株価水準まで達したら売却します。株を買う前にどこまで下がったら失敗したかを考えてから買うことが重要になります。

まとめ

・株価は半年から1年先を先行して動く

・高値圏でのダブルトップは下落トレンドの転換サインになることが多い

・週足26週線割れは速やかに売却

・当初決めていた株価まで下落したら売却

株を買う前にシナリオを考えておくことが重要になってきますね。